男性

#7 千葉雅也「デッドライン」

日本には私小説というジャンルがある。 自然主義の隆盛とともに盛り上がりを見せたジャンルであるが、今はめっきり衰退したとされている。 しかし、この作品を「私小説」とせぬのであれば、他になんと言えようか。 ◆ ところで、「私小説」とはいかように定義…

#3 E.T.A.ホフマン『クルミわりとネズミの王さま』

あらすじ クリスマス・イヴの日,マリーはドロッセルマイヤーおじさんからのプレゼントの中に,クルミわりを見つけます…夢と現実が入りまじって紡ぎ出されるドイツの幻想的な物語. (クルミわりとネズミの王さま - 岩波書店) 〈曖昧な合間〉と『クルミわり…

#2 河野裕『いなくなれ、群青』

あらすじ 11月19日午前6時42分、僕は彼女に再会した。誰よりも真っ直ぐで、正しく、凜々しい少女、真辺由宇。あるはずのない出会いは、安定していた僕の高校生活を一変させる。奇妙な島。連続落書き事件。そこに秘められた謎……。僕はどうして、ここにいるの…